リオくんの変貌はたしかに魔法のようだったが

「リオはいい子、お利口さん、早くイケメンになろうね」といつも話しかけては撫でてくれたチセママを、リオくんが片時も離れず慕うのは、無理もない。

 保護した当時は2.95キロだったリオくんだが、2週間目には4.5キロになり、半年過ぎた今では、6キロ強のイケメンに。保護当時を知る人は口々に言う。「どう見ても別猫。魔法みたい」と。ケージの中で治療中は、「イケメン化プロジェクト」メンバーにおとなしく触らせていたのに、今は、チセさんにしか触らせない。「ボクのママはこの人だけ」と、心に誓ったかのように。

 http://www.otoku47.com/author/rtgruiy/ http://www.inupic.com/content/users/174リオくんの変貌はたしかに魔法のようだったが、皮膚病になる前のリオくんは、もともと今のようなイケメンだったに違いない。皮膚病に罹(かか)って捨てられたのか、ノラ猫で皮膚病に罹り、行く先々で気味悪がられて、ひもじさと孤独を抱えてさまよっていたのか……。

 あのとき、リオくんは、闇の底で苦しみながらも、「死」ではなく、ほんのかすかな明るみである「生」だけを見つめていた。その一途な思いが哲さん母子やチセさんを呼び寄せ、まるでフイルムを逆回しするかのように、ふくよかな姿へと戻っていった。

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